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  今井温泉 (Imaionsen)

 

 

● 場 所 
別府市 大字鶴見字今井

● 歴 史
古くは今井の湯・伊麻井の湯とも言う。大字鶴見字今井にある共同温泉である。
昭和12年(1937)小倉陸軍病院の臨時分院(大字鶴見4548)、九州大学温泉治療学研究所、付近の民家一三戸、その他浴場四カ所で使用する目的で突湯された。
突湯の工法は上総掘(かづさぼり)で、深さ一四五メートルに達したとき、
多量の温泉を噴出した。
噴出地は大字鶴見字今井1806番地であった。温泉湧出量は300乃至400石であり、当時温泉所有者は、国武(くにたけ)合名会杜。泉質は単純泉、泉温は平均45度、臭気はなく微弱酸性であった(『転地療養所概況書』)。現在の湧出地は、大字鶴見字今井1789で泉質は単純硫化水素泉である(昭和33年温研調)。
昭和16年(1941)6月24日告示された『別府市市設温泉規程』には、
   第一条、市内温泉ニシテ市費ヲ以テ管理スヘキモノ左ノ通リ定ム、(上略)下熱ノ湯温泉・鶴寿温泉・ 
         地蔵温泉・今井温泉(下略)、
     第二条、市勢発展ノ為必要アルトキハ前条温泉ノ外市会ノ議決ヲ以テ新ニ温泉ヲ設置スルコト
                 ヲ得、
とある。おそらく、昭和10年(1935)朝日村が別府市に合併した翌年、市設温泉を決定したとき、朝日村の地蔵温泉(明ばん)や鶴寿温泉(明ばん)などとともに市費をもって管理する温泉となったものであろう。