昭和3年、竣工当時(「別府市公会堂80周年記念」誌より)
沿 革
● 発 端
別府市公会堂は、神澤又市郎
初代別府市長の発案により、昭和3年の別府市制5周年を記念して行われた「中外産業博覧会」に関連して建設された。(敷地の一部はかつての麻生太吉の別荘。)県内に現存する最古の鉄筋コンクリート造である。
● 設 計
設計は別府郵便電話局電話分室(現 別府市南部児童館(国の登録有形文化財))と同じ吉田鉄郎氏。氏は以前、逓信省営繕課に勤務。関東・関西の中央郵便局を始め、優れた近代建築をした実績の持ち主。吉田鉄郎の同時期の作品である京都中央電話局と同様に、ラグナル・エストベリ設計のストックホルム市庁舎の影響を受けているとされている。建物は1928年(昭和3年)に完成し、地上2階、地下1階。大講堂やビリヤード室、九州で最も早くできたとされるバルコニー形式の観覧席などがあった。
● 改修工事
昭和42年からの改修工事でシンボルであった正面階段が撤去されていたが、2015年からの改修工事で再度取り付けられた。内部は、1階部分を中央公民館、2・3階部分を市民会館として利用中。改修事業費は約12億円。現在でも市民が集う公民館として活用されている。
● 補 足
この公会堂が竣工した1928年(昭和3年)には、中外産業博覧会が開催されており、その開催日である4月1日には、本公会堂地下食堂にて580人が列席する宴会が開かれている。また、同年には本公会堂のほか、浜脇高等温泉(1928年(昭和3年)6月竣工)等も建設されている。
● 年 譜
1927年(昭和2年)
1月14日 別府市公会堂着工。
1928年(昭和3年)
3月28日 別府市公会堂竣工。
3月29日 別府市公会堂落成式挙行。
1950年(昭和25年)4月 別府市公会堂を別府市市民会館に転用。
1962年(昭和37年)4月 別府市中央公民館に改称。
1968年(昭和43年) 正面階段撤去。
1969年(昭和44年)3月 別府市中央公民館の一部を別府市市民会館とする。
1994年(平成6年)11月25日 別府市の有形文化財に指定。
1995年(平成7年)4月 改修工事。
2014年(平成26年)10月 復元工事開始。
2016年(平成28年)3月 - 復元工事竣工。名称を竣工当時の「別府市公会堂」に戻す。
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各種PDFデータ (参考資料) |
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昭和3年3月29日
大分新聞(現、大分合同新聞) |
安部巌手書き原稿 |
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別府市中央公民館の復元にむけて
べっぷの文化財 No,38
H19.3 |
改修後の様子は
市報で紹介された |
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